山中 徹雄 【やまなか てつお】
保有資格
理学修士運動科学 (Master of Science, Exercise Science)
全米アスレティックトレーナーズ協会 (NATA)
アスレティックトレーナー (BOCATC)
全米スポーツ医学研究会(NASM)PES/CES
ファンクショナルムーブメントスクリーン(FMS)
スペシャリスト
セレクティブファンクショナルムーブメントアセスメント
(SFMA)スペシャリスト
中高校体育・小学校教員免許


学歴
埼玉大学教育学部
アラバマ大学人間環境学部アスレティックトレーニング学科
ミドルテネシー大学大学院理学修士運動科学学科
アスレティックトレーナー歴
The University of Alabama
Tampa Bay Buccaneers (NFL) (Intern)
Detroit Lions (NFL) (Intern)
New York Yankees (MLB) (Intern)
Middle Tennessee State Univ. American Football
Northern Illinois Univ. American Football
North Carolina State Univ. American Football
論文掲載
Occlusion Training Increases Muscular Strength
in Division IA Football Players
2012年9月コンディショニングリサーチ誌
『Journal of Strength and Conditioning Research』に掲載
Get to Know Me
■子どもの頃、どんなタイプでしたか?その頃の性格は今も残っていますか? 子どもの頃はわりと活発でしたね。性格も大きくは変わっていないように思います。 小学校2年生から中学3年生までは剣道を続けていて、中学では地元の道場に通いながら、なぜか吹奏楽部にも所属してトランペットを吹いていました。九州大会に出場するほどの強豪校でした。 高校では、これまた珍しくボート部に所属。振り返ると、この頃の経験が今の「正しいトレーニングを伝えたい」というモチベーションにつながっている気がします。 おっと、このあたりは後の質問にも関わってくるので一旦ここまでで…。 ■ちなみに今の仕事をしていなかったら、どんな職業についていたと思いますか? 大学卒業後にアメリカへ行くのですが、その前に留学資金を貯めようと思って一度就活をしました。某建設会社や自動車メーカーなど、名前の知れた企業からいくつか内定をいただいたものの、どれも営業職で話が進んでいました。もしかしたら、いずれかの会社で営業をしていたかもしれません。人と話すのは好きなので。 ただ結局どこにも就職せず、卒業後は西新宿の老舗レストランで働き、お金だけでなくさまざまな経験を得ました。この話はまた別の機会に…。興味がある方がいればぜひ(笑)。 ■人生の転機になった出来事や、人との出会いはありますか? 転機も出会いもたくさんあったので、一つに絞るのは本当に難しいですね。 あえて挙げるとすればーー ・大学時代にたまたま本屋で読んだ「アスレティックトレーナーとは?」という留学ジャーナルの記事との出会い ・留学中、父の看病と死 ・アメリカ生活を終えるきっかけになったチームでのネガティブな経験(ここでは詳細は控えます) ・帰国後、当時の彼女(現在の妻)からの「なんでテツさん独立しないの?」という一言 ほかにもたくさんありますが、振り返って無理やり絞るとすれば、このあたりですね。 人との出会いについても同じく一人に絞るのは難しいです。 たくさん支えてくれた方がいますし、今もお世話になっています。 それでも無理に挙げるならーー ・20代の頃、渡米前にお世話になった職場の上司 ・アメリカで就職が決まった頃から帰国直前まで支えてくれたアメフトチームのヘッドコーチ ・妻 ・長崎の実家の家族(「出会い」と言うのは少し変かもしれませんが) ・そしてA+でトレーニングをしてくださっているお客さまたち ですね。 ■日々の中で「これだけは欠かせない習慣」は何ですか? ありきたりですが、身体を動かすことと、体に入れるもの(食事)には気をつけています。とはいえ、食べ物に関してはわりと自由で、夜中にラーメンを食べることもありますし、揚げ物も大好きです。ただ連日続けて食べないようにはしています。 身体を動かすのは、この仕事をしている以上、お客さまに動きを見せられなくなったら指導が難しくなるからです。常に「見せられる動き」を維持できるように日々身体を動かしています。 ■仕事以外で一番熱中していることや趣味は? 趣味がそのまま仕事に直結するタイプの仕事なので、それ以外となると…難しいですね。 あえて言うなら、最近注文したジムニー・ノマドが納車待ちで、そのカスタムをどうしようかとプランを立てながらYouTubeを漁っている時間でしょうか。趣味と呼べるかどうかは微妙ですが…。 ■周りの人からはどんな性格だと言われることが多いですか? 妻からは「ネガティブ」「暗い」「しつこい」と評されることもありますが(ひどい言われよう!笑)、周りからはその真逆のことを言われることもあります。まぁ、人間は表裏一体、いろんな面があるということで。 ■これまでで一番大きな失敗や挫折は?そこから得たことがあれば教えてください。 まだ傷も新しく、そして深いので、あまり詳しく語りたくはないのですが…信頼していた人たちに裏切られた経験ですね。 その事情を知るお客さまからは「経営者として不義理を受ける経験は、次のフェーズに進むうえで貴重。不義理を受けたと思うのは、あなたが義理を尽くした証拠」と言われて気持ちがずいぶん楽になりました。 もちろん義理を尽くしたうえでの裏切りはつらい経験でしたが、それでも前に進まなければいけない。自分にコントロールできることーーそれは感情や提供するサービスの質などーーをしっかり保ちたいと思っています。 ■自分の中で「これが原点だ」と思う経験はなんですか? 先ほど「高校時代のボート部での経験」と話しましたが、もう少し遡ると小学校6年生の頃の怪我も大きな原点です。 卒業式の少し前に右肘を骨折し、数ヶ月ギプスで固定。式には肘が固定されたまま出席し、外れたのは式のあとでした。解除後は肘が90度から動かず、筋肉も落ちて骨と皮のような状態でした。 高校のときも腰を痛め、横向きで膝を抱えてでないと眠れないほど。整体のようなところにも行きましたが、根本解決にはならず、痛みをごまかしながら部活を続けていました。 小学生時の肘、高校時代の腰、共通していたのは「怪我をしたあと、頼れる人がいなかった」ということです。 骨はくっついていても肘が伸びない、筋肉が落ちている。骨に異常がなくても腰が痛くて動けない。それなのに相談できる場所がない。病院に行ってもそこから先のケアはなく… そこで思ったんです。 「なんでこれを解決してくれる人がいないんだろう?」 「だったら自分がなればいいんじゃないか!?」 これが今の仕事をしている原点ですね。 ■気分転換やリフレッシュはどんな方法でしていますか? 家族との旅行です!2020年生まれの男の子(怪獣)がいるのですが、一緒にあちこち行けるのが楽しいですね。息子は温泉とお泊まりが大好きです。 ■大切にしている言葉・価値観・マイルールはありますか? ・人生プラマイゼロ ・情けは人の為ならず ・因果応報 ・Control what you can control. ■プライベートで「実はこう見えて○○なんです」という意外な一面は? 仕事人間ではありますが、実は家族を最優先して仕事量をコントロールしています。お客さまが理解してくださっていて、本当にありがたいです。 ■10年後の自分を想像すると、どんな暮らし・人間でいたいですか? 10年後…。遠いようであっという間なんでしょうね。 この仕事をしている以上、まだまだ多くの方に自分の知識と経験を求めてもらえる存在でありたいです。暮らしに関しては、もう少し余裕がほしいところですが…時間ができたらできたで結局バタバタと動いている気もします(笑)。 これを書いている今は40代後半ですが、50〜70代のお客さまも多くいらっしゃるので、皆さんに負けない歳の重ね方をしたいです。 ■最後に、セッションを行う上で大切にしていることは? パーソナルトレーニングと聞くと、「筋肉ムキムキ」「ピタッとしたウェア・日焼けした身体」「ボディメイク」といったイメージを持つ方も多いと思います。もちろん、そういう目的で来られる方もいます。でも実際には、膝や腰の痛みがある方、整体やマッサージに頼っている方、運動に苦手意識がある方など、“身体の悩みや不安を抱えている人”こそ必要性が高いと感じています。 トレーニングがすべてを解決するとは言いませんが、「正しいトレーニング」で改善できる悩みは本当に多い。だからこそ、それを安全かつ効果的に導く“第三者の存在”が重要だと思っています。 そして私自身が心がけているのは、「鍛えることをゴールにしない」ということ。筋力アップや見た目の変化より先に、その人の生活や身体の状態をどう良くするかを大事にしています。痛い箇所があるならば、姿勢や日常・運動時の身体の使い方のクセなど、様々な視点から原因を一緒に探します。 あと、否定しないこと。運動が苦手な方や、ジム通いが続かなかった方にも「こうしなきゃダメ」ではなく、続けられる方法で進んでもらう。ペースづくりも私の仕事だと思っています。 よくいただく声としては、「もっと早く来ればよかった」「自分では気づけないところを指摘してもらえた」「整体やマッサージに行く回数が減った」「階段で膝が痛くない」「旅行が楽しめるようになった」など、生活に直結した変化を挙げる方が多いです。 通っている方の幅もかなり広くて、トップアスリートもいますし、「最後まで自分の足で歩いていたいから来ている」という70代の方もいます。年齢も目的も体力レベルもバラバラですが、「自分の身体をより良くしたい」という想いは共通しています。 やりがいを感じる瞬間は、「できなかったことができるようになった」とき。重量が伸びた、試合で結果が出たなどの変化ももちろん大変嬉しいことですが、「正しくしゃがめた」「痛みなく歩けた」「姿勢が変わった」など、動きの変化により生活の質が上がった、と実感される時にも大変やりがいを感じます。 そして表情が変わるんです。最初は不安そうだった人が、数ヶ月後には自信のある顔になっている。ああいう姿を見ると、「この仕事をやっていてよかったな」と心から思いますね。 少し大袈裟かもしれませんが、ここに通ってくださる皆さんの人生が豊かになれば、日本の国力を上げることにだってつながると本気で思っています。 「悩みがあるからこそ始める」「自信がないからこそ頼っていい」——もし少しでも身体の不安や望みがあるなら、ぜひ一度来てほしいです。自分ひとりでは気づけない変化や可能性を、きっと一緒に見つけられると思います。